会社の同期が亡くなった。
同じ大学、理系。所属グループも同じで同期の中でも仲が良かった。
僕の結婚式の二次会の司会もしてくれた。
その二次会で僕がビリージョエルのNew York State of Mind一曲を弾くために、慶應大学のバンドを連れてくれた。練習もせず、一発勝負。当時バブルで観客は200ー300名いた。なんとか弾いた。歌い終わる瞬間、マイクを持っていた慶応のスタッフの女の子の手が震えていた。
歌が良かったのか、緊張もしくは安堵だったか。多分、後者だろう。
結婚した年に、我が家に泊まりにきて、夜の2時まで彼のギターと歌に興じていた。そのあと、目の前の引き戸が突然開いて、家内に「もう寝てください」と怒られた。
そのあとも同期の結婚式の司会は彼が多かった。司会が似合う華やかな奴だった。
ただ、見た目を違って、真面目な奴でもあった。
最後に会ったのはもう2年くらい前か。
酒の後だが、真面目な会話を普通にした。
その時も、真摯に的確に答えていた。
相変わらず、見た目と違って実直な奴と思った。
もう奴の声を聞く事がないと思うと、全く想像できない。
「おい、冗談、冗談」と笑って目の前に出てくる気がする。
人生は、なんと無情なのだろう。