思考の詳細

SNSでは説明しづらい詳細について書きます。

コロナの数字

コロナの状況は、様々な報道、コメンテーター、専門家の意見があるが、それらには主観が入るので当てにならないことが多い。

個人的には数字を追って状況を掴もうとしている。当たり前だが、数字には主観が入らないし、継続的に追って傾向もわかるからだ。

 

まず最初に共有したい数字は、昨日発表されたスタンフォード大学サクラメント州での大規模調査の結果、実際の感染者数はPCR検査で発表されている人数の50倍から85倍いるということだ。

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.14.20062463v1.full.pdf

これは3300人の希望者を抗体検査した結果であり、抗体を持っている人数比率が2.5%ー4.1%だった。これを州の人口189万人に拡大すると4.7から7.7万人、一方発表されている累計感染者は4月1日で9600人なので、発表されている人数の50倍から80倍の累系感染者がいる計算だ。

 

東京都は4月18日時点で2975人だから3万人だから、サクラメント州の結果によれば実際は約15万人から24万人の感染者がいる事になる。

これまで無症状感染者はどのくらいいるのか、よくわからなかった。最初にJAMA(米国医師会雑誌)に載った論文だと1%と発表され、その後クルーズ船の分析から20%とも推定されていたが、今回実際大規模調査を行ったところ無症状感染者はPCR検査で把握されている感染者よりも遥かに可能性が出てきた。

 

今、これまで2ヶ月程度で3%近辺の感染率とすると今後どのくらいのスピードで感染拡大するかわからないが感覚的には1年程度で60−70%感染者して集団免疫を持つシナリオも現実的に思える。

 

最後に北大の西浦教授の「最低7割、8割減」の根拠がこの間教授の動画をTwitterで見たら、実効再生産率が2.5を前提としていた。

これは欧米の感染爆発した国の数字とのことだった。

2.5であれば、これは40%をかければ1になるので、人的接触を1から40%を引いた60%超えて減らさないといけないと言っているのはわかる。

日本は今のところ欧米のような爆発的感染者数ではない。東京では1.7という報道もある。2とすれば、東京は50%を超えて減らす話しとなる。今一つ政府発表の根拠が把握できないもどかしさを感じる。実行再生産率の根拠や感染者数の計算全てを見てみたい。

 

死亡率は日本は1.5%(死亡者数/感染者数:161/10361 4月18日データ)と米国5.3%(39015/738913)より低い。医療崩壊が起きていると言われているイタリアは13.2%(23227/175925)、スペイン10.6%(20639/194416)、英国13.5%(15464/114217)はいづれも死亡率が2桁、一方医療崩壊が起きていないと言われているドイツは3.2%(4534/143724)、韓国2.2%(234/10661)は死亡率が2−3%だ。

 

死亡率を低くするには、医療崩壊を起こさないことが最重要だろう。

そのためには、人々の行動変容、特に通勤や、家族間感染が出ていることから公園の複数家族の会話禁止、ソーシャルディスタンスこの辺りがキーだろうと思う。後はPCR検査の拡大にともなう、隔離、ホテルにいる軽症者が重篤化したときの病院への移動が課題と思う。

 

感染者が拡大してくるとクラスター潰しだけだと回らないと思うので、PCR検査を拡大して、陽性者は隔離するという韓国の方法を取らないといけないと思う。PCR検査は「検査数のキャパが13000あるのに、実際は4−5000しか稼働していない」(4/18 NHK スペシャル 尾身先生)らしい。医師会が動いて杉並区など保健所をバイパスして医師が必要と判断した場合、PCR検査を受けられる場所を作ったことはとても素晴らしいことだ。

 

ともかく、我々一般市民としては、行動変容を行い、自らかからない、移さないことを徹底してやるしかない。